自動車人/張恒 中国自動車協会の最新データによると、2020年6月、中国の自動車販売台数は230万台、前月比4.8%、前年同期比11.6%の増加とった。このうち、乗用車販売は前月比5.4%増、前年同月比1.8%増の176万4千台、商用車販売は前月比3.1%増、前年同期比63.1%増の53万6千台だった。 中国の自動車市場は前年比2桁成長を達成した5月に続き、6月も2桁の成長となった。 2020年、かつてのない新型コロナウィルスの流行により、従来から続いてきた自動車販売の成長サイクルが破られた。例年の経験では、その年の6月が前の月より販売台数が落ち、7月と8月がその勢いでオフシーズンに入ってしまう。 2019年6月は異例だった。(排気ガス規制基準の)国Ⅴ基準を準拠する車種の多くは国Ⅵ基準型に切り替える必要があるため、国Ⅴ基準型車種の大バーゲンにより、母数が大きくなったからだ。したがって、理論的には、今年6月の成長率は決して良い数字にならないのではと思われる。 今年上半期、中国自動車の販売台数は、1025万7千台、前年比の累計16.9%減となった。このうち、乗用車販売台数は783万7千台で、前年同期比22.4%減、商用車の販売は238万4千台、前年比8.6%増となった。 自動車の生産状況について特筆すべきなのは、今年6月、中国の自動車生産が前月比6.3%、前年比22.5%の増加となったことだ。 完成車メーカーは、生産の「馬力」を高めている。これは、完成車メーカーが市場の回復を確信ことを示している。在庫状況もこれを反映しており、月末時点の在庫が月初に比べ6.1%増加だった。 6月の新エネルギー車の販売台数は10万2千台で、前年同期比25%減、前月比は21.3%増となった。 2020年の成長サイクルは過去とは大きく差異があるはずであり、自動車企業にとっても大きな試練だ。 現在、商用車は全盛期を迎え、おそらく6月も販売台数が再び史上最高記録を刷新するはずだ。このうち、大型トラックは6月に16万9000台が販売されており、すでに6月の過去最高を記録した。軽トラックも23万7000台が販売されており、同様に過去最高を記録した。 新エネルギー車においては、去る3、4、5の3ヶ月では伸び悩みとなっていたが、6月では成長軌道に乗り出した。6月の伸び率が前年比低かったのは、昨年6月が新しい補助金政策転換の最終月であり、駆け込みの需要により、過大な母数となったからだ。 注目しなければならないのは、中国ローカルメーカーが乗用車市場におけるシェアは依然として悪化しており、ピーク時の2018年2月には約47%に達したが、6月にはすでに33.5%まで低下した。 市場全体を勘案すると、中国のローカルメーカーは1月から6月にかけて「-16.9%」という業界の平均成長率を上回るのが8社、残りの7社がこれを下回り、ほぼ半々だ。市場全体より成長率が高い8社は、一汽、東風、長安、JAC、華晨、重汽、陝西汽車、成都大運だった。このうち、プラス成長したのがたった3社。3社はそれぞれ、前年同期比31.8%増加の一汽、 前年同期比23.8%増加の重汽、および前年同期比3.6%増加の陝西汽車だ。これら3社のうち、重汽と陝西汽車は商用車が中心であり、一汽も商用車の比率が高かい。 乗用車市場でプラス成長を遂げていたのが一汽と長安だけだった。上半期では、一汽は28.0%、長安は1.9%成長した。 2020年上半期、自動車販売は統計があった以来最も不安定な期間だった。中国では新型コロナウィルスの感染が成功に抑制されていたため、下半期の市場状況は慎重に期待できる見方があるが、現在の回復を踏まえて、通期のプラス成長に好転できるかについては、実現しがたいものだと思われる。