自動車人/張恒 中国の株式市場が再び燃えていることは誰もが知っているが、自動車業界もこれが原因で変化していることに気づく人はほとんどいない。 2020年7月13日の締めくくりで、香港株の新エネルギー車セクターは業界別でナンバーワンのポジションに急上昇した。その理由は、Evergrande Health(00708.HK=Hengchi Automotive分のAssetsを含む)がその日29.9%上昇し、BYD株が16.17%上昇したためだ。 中国各地市場に上場している自動車メーカーを見渡すと、リーディングカンパニーとしてはA株のBYD、H株のEvergrande Health、米国株で蔚来汽車(NIO)のいずれも新エネルギー車の代表格だ。 昨年末の株価42.3元と比較すると、A株市場のBYDは今になって97.9元までに上昇し、7月13日さらに勢いが続き、ストップ高となった。同社の時価総額は2,671億元に達し、SAICグループの2,248億元という時価総額を上回り、中国で時価総額が最も高い自動車メーカーとなった。 米東部時間の7月10日、NIOの株価は14.98米ドルで取引を終え、2019年の最低値より1397%上昇した。同社の時価総額は16兆6,650億米ドルとなった。 中国の自動車産業全体で見ると、時価総額が最も高いのが非寧波時代の他にはない。寧徳時代の時価総額は4,946億元に達しており、BYDとSAICの時価総額の合計を超えている。 実際、この状況は中国だけではなく、世界中でもおきている。米東部時間の7月10日、テスラの株価は1544.65ドルで取引を終え、同社の時価総額が2,866億ドルに達し、ニューヨーク証券取引所に上場されているトヨタ自動車の時価総額である1728億4千万ドルをはるかに上回っていた。 インテリジェントドライビングの分野でますます重要な役割を果たしているNvidiaは、257,795億ドルの時価総額に達し、Intelの2,560億5,000万ドルを超えて、チップ業界で最も高い時価総額の企業となった。 とはいえ、BYDは2019年度、自動車販売がわずか451,200台であり、2019年通年で623万7900台も販売したSAICの1か月分に過ぎなかった。同様、テスラは2019年、合計36万7500台の車両を納入しただけであり、同じ年度に世界で1072万2100台を販売し、販売台数の記録を刷新したトヨタのほぼ三十分の一だった。 金融市場は、従来の自動車業界の法則と別物で、自動車業界の未来を代表する革新的な企業に非常に高い評価を与えている。一見して非理性てきな事象ではあるが、自動車業界では初めておこったものではない。 5年前、テスラの時価総額は200億米ドルを突破した。当時、スマートカー、自動運転、自動車メーカの新勢力が人々の視野に入り、多くの上場企業はスマートカーを垣間見ることを望んでた。現在、テスラの時価総額は当時の10倍以上になり、エロンマスクの個人的な資産はウォーレンバフェットを上回り、世界で7番目に裕福な人物にもなった。 中米間で起きた科学技術紛争が激化している今日、技術革新に対する資本市場のリスク選好度はほとんど前例のない程度と高まっている。 米国が中国のテクノロジー企業を包括的に抑制と閉じ込めに取り込んでいるため、中国企業はローカルで代替製品を探せざるを得ないくなる。中国の上層部でも、科学と技術の分野では「首をしめられる」といけないことを認識し、財政や金融など多くの面で技術革新の取り組みに対して強力なサポートをしている。このような環境に取り巻かれ、資本は現時点では政治的な正当性を意識し、代替製品が創出する大きな市場可能性と国が技術革新に対する強い支持を勘案し、あえてテクノロジー企業に大きな賭けをするのだ。 自動車産業はこのような時代の波に乗っている。世界の自動車需要が低迷しており、中国の自動車市場も段階的なボトルネックに直面している一方、寧徳時代、Nvidia、テスラなど自動車の「新四化」を代表する企業らは、「三国演義」に描かれた長坂坡の戦いにいる趙雲のごとく、敵となれる相手はなく、世界からリソースと注目を集めている。