自動車人/呉毓 電気自動車は、小型、中型、中型および大型のすべてが盛んになるのか、それともコンパクト型または小型車に焦点をシフトするのか?トヨタは従来から電気自動車の小型化を方向性としており、新エネルギー車の製品ラインナップには、「超コンパクト型電気自動車」が重要な位置を占めている。 コンセプトカーであるConcept-i RIDEモデルは、「超コンパクト型電気自動車」の設計理念を解釈している。サイズはスマートフォーツー(Smart fortwo)に近く、乗客の出入りを保証するために2つのドアを持たせる。4つの車輪を4つのコーナーに配置して、車内スペースを最大限にする。くさび形状ボディは、空気力学の最適化、モーターレイアウトの最適化を持ち合わせ、乗客の安全を確保できるための十分な衝突力を吸収するスペースを確保。上部は乗員モジュール、下部はパワーモジュール(バッテリーと駆動システムを含む)にし、テールゲートはセミハッチバック設計を採用する。 市場に出回っているほとんどの乗用車とは異なり、「超コンパクト型電気自動車」のターゲットは、退職した高齢者と運転免許を取得したばかりの初心者だ。当該車種は2人しか収容できなく(smart fortwoとまったく同じ)、航続距離が100キロ、最高時速が60キロで、日常活動に向け設計されている。おそらく、これは中国式の「老人楽」だとも言える。毎日買い物や子供の送迎に特に向いている。 「神車」といわれる車種多くを持っているSAIC-GM-五菱も、トヨタの「コンパクトな電気自動車」の性能とポジションニングに非常に近い製品である「宏光MINI EV」を発表する予定だ。それにはドアが2つ、座席が4つあり、後続距離が120キロ、エントリー価格が30,000元を超えい程度だ。 「老人楽」との違いは、この車のバッテリーパックは防塵および防水レベルがIP68に達し(水中に沈めても損傷はしない)、「三電」システム(バッテリー、バッテリー制御システム、モーター)は8年間120,000 kmの品質保証を提供する。 実際、電気自動車の小型化は常に議論されている。議論の焦点の1つはコストだ。 電気自動車の開発を担当するエンジニアは筆者に、バッテリーが電気自動車の「小型化」を制限するハードルだと語った。エンドユーザーにとって、バッテリ寿命、スペース、価格は非常に現実的な問題であり、これらも小型電気自動車の市場需要を抑制した。この問題を解決するためには、バッテリーのエネルギー密度が再び飛躍的な発展が必要だ。現段階で、中国ローカルメーカーもグローバルメーカーも、バッテリー寿命、スペース、および価格の突破を通じて電気自動車の消費の急速な成長を促進することを期待している。 トヨタとSAIC-GM-五菱にとっては、小型の電気自動車を開発に足並みをそろえているのが偶然ではない可能性もある。当初の意図がどうであれ、両社とも年齢層の両端にいるユーザーである学生と高齢者に絞っている。この市場はニーズがあるが、購買力に欠けるニッチ市場であり、如何に市場開拓するかが両社の技術力とマーケティング能力が試される。 トヨタ自動車の計画によると、2025年までにプラグインハイブリッド車とハイブリッド車の販売台数は450万台、純電気自動車と水素燃料電池車の販売台数は100万台となる見込みだ。つまり、CO2排出ゼロの車種の販売量が20%未満であり、エンジンを搭載した「新エネルギー車」(プラグインハイブリッドおよびハイブリッドモデル)が依然として主力だ。 電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車(拡張範囲電気自動車)、およびハイブリッド電気自動車がユーザの使用シーンにおいては補完的な関係だと思われる。電気自動車は都市内の近距離移動を担当させ、以外は都市間移動を担当させれば、多くの問題が解決されるのではという見方がある。 今後5〜10年の間に、小型およびコンパクト型が純電気自動車の主流になる見通しだ。個人の旅行のニーズを満たすことができ、バッテリーパックのエネルギー密度による純電気駆動の利点を失うこともないからだ。しかし、自動車市場における主流の選択肢には、プラグインハイブリッドの中型および大型車とSUVであろう。小型純電気自動車と中型のプラグインハイブリッド車は互いに補完するのが新エネルギー車市場の新しい状態になるかもしれない。