自動車人/張恒 中国中央銀行は8月17日、7000億人民元の中期貸出ファシリティ(MLF)運用に乗り出し、金利は2.95%に維持した。今回のMLF運用規模は市場の予想を上回った。中国中央銀行は8月以降、資金供給量を大幅に増やし、6月と7月の資金緊縮基調を変えた。 この影響で、中国A株上海総合指数は2.34%急騰し、3400ポイントを突破した、上海と深センの株式市場取引額は11000億元を超えた。この中で、自動車セクターが2.36%上昇し、業界セクターは11位を記録した。15銘柄がストップ高となり、Desay SVが8.78%、中通客車が5.84%、福耀ガラスが5.71%、華域自動車が5.70%、CAERIが5.27%、長安自動車が4.02%、長城自動車が3.67%、何も大きい上昇幅を記録した。 先日、「自動車人」は中国通貨緊縮による金利引き上げ、循環株(自動車株を含む)再開を扱った記事を掲載した。それから二ヶ月、政策はなぜ変わったのか。その理由は「デフレ」であった。中国7月CPI、PPIデータが不安だ。 中国国家統計局が発表した7月核心CPI(核心消費者価格指数)が0.5%で低迷だ。非食品CPIは前月比で横ばいだ。食品CPIが大幅に増えたのは、需要拡大によるものではなく、供給不足のためだ。その原因は洪水、イナゴの襲撃、豚コレラ等ある。重要なことは、非食品CPIが改善どころか、さらに減少していることだ。7月PPI(生産価格指数)は前月より0.4%上昇、昨年同期より2.4%低下した。ギャップは縮まったが、国際原油価格上昇や非鉄金属価格上昇を考慮すると、このデータは不安だ。特に、自動車価格も今期0.1%上昇したことは注目に値した。 上流の製品は原油価格上昇に依存し、産業成長は在庫増加に依存しているわけだ。実際、自動車業界の完成車メーカーは、ウイルス緩和後、数ヵ月間在庫補充をしている。洪水の影響が収まり、在庫高位や国際原油価格が下落すると、マクロデータは再び下り坂に戻るリスクに直面する。さらに、グローバル経済の不安定や中国内需回復の遅れ、産業デフレリスクが高まっている。循環株(金融、インフラ、自動車など)が再び値上がりしたのは、景気回復に対する期待感が高まっている意味だ。しかし、デフレを見込んだ場合、通貨緊縮をすれば、状況は変わる可能性がある。 中国中央銀行の通貨政策は8月17日に修正され、市場に予想以上の資金供給を始めた。この時宜にかなった動きは、連続弱勢だった中国A株は8月17日に高値で上昇した。この中で、上海取引量は先週金曜日の8498億元から、今週月曜日の11539億元に増加した。金融セクター、有色や石炭セクター、インフレや交通セクター及び自動車セクター、何も大きい上昇幅を記録し、全てが循環株でもあった。 一部のエコノミストは、中国中央銀行が流動性を引き締める可能性が低く、また流動性の引き締まりは一段落したと解釈した。異なる見方をしている人々は、3ヵ月内に1.5万億元程度の特別債券が発行されることを見込み、債券発行にこのような動きをするのが、重大利好に到る解釈されることではない意見だ。また、市場金利は低下していないので、資金マージナル緊縮傾向は変わっていない。 10年以上前にあったグローバル金融危機、どのように回復したかを振り返すと、その過程は常に混乱で複雑だった。多くの批判にもかかわらず、経済は徐々に泥沼から抜け出した。今日、経済動向は依然に複雑で予測不可能だ、全ての政策導入は中国当局の知恵と勇気を試練するものになるのだ。