自動車人/張恒 中国で「生産販売台数評価」という経営スタイルが時代遅れになった、自動車ブランドは当面の利益にもっと注意を払って、激しい競争で生き残らなければならない。 市場好調の時、「生産販売台数評価」は高いパフォーマンスを得られるが、市場萎縮すれば、生産能力過剰、損失増加などで、さらに多くの問題点が露呈される。良性循環の前提は合理的利益を創出することにある。中国はこれまで生産と販売台数を強調したため、自動車メーカーは2016年から2018年までの乗用車市場の成長を誤判し、生産能力の拡大化に拍車をかけた。実際、2018年以降、自動車需要が激減し、過剰生産は無駄なコストとなった。 中国自動車産業の対GDP比重は1.30%-1.60%と安定的であり、自動車“新四化”変革と伴う、自動車産業の放射効果と誘導効果が徐々に強化され、製造業GDPで占める割合は年々増加し、3.68%から5.81%までに上昇したと一部機構から論じた。2020年6月と7月の自動車産業の付加価値伸び率は其々13.4%と21.6%となり、いずれも業種別1位であった。 完成車製造業の影響力係数は2.479983、自動車部品(パーツ)製造業は2.401938である。これは、自動車部品製造業が川下業界に相当強い先導力を持っているという意味だ。2020年には、自動車産業が業界全体に及ぼす推進効果は38650.6億元に達すると予測され、GDPにおける成長貢献率は10.41%に達する見通しだ。 国内生産過剰と需要不足は中国経済の足を引っ張ってきた。企業側では、生産と販売台数より利益に注意を向けられ、稼いだお金を研究開発や勤労者福祉に投資すれば、内需循環の完成に積極的作用を創出できる。 中国自動車ブランドとグローバル自動車ブランドの粗利益率の違いを比較してみた。ドイツ系の自動車ブランドの場合、2019年Audiは14.5%、Benzは16.9%、BMWは17.3%の粗利益率を記録した。日系の場合、ホンダは20.6%を達し、トヨタは近年平均で18.1%の水準だった。米国系の場合、2019年Fordの粗利益率は7.5%、2017年から2019年までGMは平均19.2%に達した、2020年第一四半期Teslaの粗利益率は25.5%だと発表された。 一方、2019年中国ブランドの報告書によると、長安汽車と広汽集団の完成車粗利益率は、其々14.68%、6.45%を記録し、長城自動車は16.25%、北汽藍谷は11.51%だった。また、2020年上半期吉利汽車粗利益率は17.11%、NIOの2020年第二四半期粗利益率は9.7%であった。上記数社が中国企業全体を代表するわけではないが、十分な格差が確認できる。 粗利益率だけでなく、市場占有率も見なければならない。景気不況の時、利益を犠牲にして市場占有率に引き換えることは、ビジネス競争でよく見られる戦略だ。 この1年間、中国ブランドの市場占有率が持続的に下落したことがデータにより示された。2020年1~7月、中国自動車ブランドの国内市場占有率は36%で、昨年同期の39.2%より3.2%が下がった。一方、ドイツブランドは1~7月のシェアが25.1%で、昨年同期より1.6%上昇し、2位を維持した。1~7月の日系ブランドは24.1%の市場占有率を記録し、昨年同期より2.3%上昇し、ドイツブランドとの格差がさらに縮まった。 中国政府は「国内大循環を主体とし、国内外両循環相互促進する新発展構造」を掲げた、過剰生産能力を対処する一方、国民所得の増加と伴う消費を向上し、内需拡大させ経済発展に期待する。外循環では、中国企業が更に主導権を持ち、利益を創出しなければならない、というのも、中国自動車産業の発展目標だと言える。