自動車人/張恒 トラック業界で“Tesla”と呼ばれる水素エネルギー商用車企業Nicolaは、実際に持っている水素エネルギー技術が詐欺劇だという疑惑を受けている。この影響で、Nicolaの株価は6月最高値93.99ドルから最低値16.15ドルに激落し、最大下落幅は80%を下回る。 シリコンバレーの史上最大の詐欺劇の張本人として知られている——Elizabeth Holmesは、曾て「女性ジョブズ」と呼ばれた。一冊の'Bad Blood'には、この超富裕層に属する1984年生まれの女性が、米国の政治、経済、科学の三領域をどの様に把握し、十数年にわたる詐欺劇は、自社製品は何一つを創出せずに、企業の市場価値は一気に90億ドルに高騰した過程を詳しく記録した。 トラック業界の“Tesla”は、“Bad Blood”に勝るとも劣らない。2020年9月8日、GMはNicola株式持分11%を20億ドルで買収したと発表された。GMとNicolaの創業者Milton、双方は'ウィンウィン'な取引だと肯定的に評価した。 2日後、空売り機構Hindenburgの報告によると、Nicolaは投資家や他のメーカーを引き付けるため、会社技術について虚偽な供述を行い、一連の複雑な詐欺行為を行なっていたと発表された。創業者Miltonは、曾て多くの企業を設立し、訴訟に関与した彼は最終的に破産したと報告された。 その後、CNBCの報告によると、米ユタ州当局に2人の女性がMiltonに対して性的暴行を告訴し、告発者はMiltonのいとこと事務助手であり、彼女達は僅か15歳と17歳だった。 Nicolaは自社製品を公開することなく、機構からの疑惑に対して、創業者Miltonは9月21日に辞任した。それ以降、企業の一連の弁解は、外から見れば、自体の不正を認めることと同等のようだ。 事件が暴露される前、Nicolaはグローバル的水素エネルギー商用車分野の先頭であった。しかし、Nicola帝国の崩壊に伴い、水素エネルギー自動車技術に対する疑問も提起された。水素エネルギーには利点が多い一方、欠点も致命的だ。最も重要なことは、電気や石油と異なり、世界的に水素を生産、保存、分配、加工するネットワークがないと言うことだ。電力ネットワークは、世界中の主要都市で拡張しているが、電気自動車の充電に関して、ユーザーは依然として不満を持っている。水素エネルギーは、このような難題と複雑なエンジニアリング、莫大な投資規模により、その実現可能性が信じがたい。 最近経済界の詐欺劇は、ほとんど科学を名名乗っていることが分かる。自動車業界は革新を遂げるため、膨大な市場やバリューチェーンの規模により、多くの詐欺師達が詰め掛けている。賈躍亭、龐青年、Milton、彼ら何れも、科学に対する大衆の非現実的な幻想を利用した。《自動車人》が以前報告した《自動運転の有名無実》、今回もまだ同じロジックだ。 自動車産業“新四化”の過程で、Miltonのような創業者とNicolaのような企業が少なくなり、健全で持続可能な自動車産業の発展が必要とする。20年前中国半導体の“Hanxin Events”のような詐欺劇がなくなり、そのような一事件が何十年に渡って産業発展を台無しにすることがない事を願う。