11月18日、中国A株産業セクターの上位圏には保険、銀行、有色(金属)、船舶、不動産などの順循環産業が多かった。今までハイテク株を高評価し、伝統産業に対しては低評価してきた市場が、その傾向を変っただろうか。 信用債問題が今回のセクター変動の最も直接的な原因となった。ハイグレード債券と国営企業の信用が崩壊してから、金融機関のリスク選好度は大幅に低下した。複数の銀行は信用債権のリスクを減らしてほしいと要求していると報告された。石炭と化学工業などの生産過剰業種には特に大きな影響を及ぼした。 信用債問題のもう一つの直接的な影響は流動性不足だ。11月17日、中国人民銀行は中期貸出ファシリティ操作を行い、今年最大規模である2000億人民元を市場に投入した。これは債権市場を安定させ、流動性需要を補うためだ。 市場に反映され時、ほぼ無反応な状況だ。上海銀行間取引金利の短期金利は確かに落ちだが、中長期の緩やかな上昇傾向は変わっていない。中国A株も無反応で、創業セクターのボリュームは縮小し続けていた。 マクロデータはまちまちで、機関の見解も大きい相違が挙げられた。10月の中国社会消費財販売総額が市場予想を下回り、四半期別に調整後、前月比0.68%増に止まった。良いニュースは、インフラと不動産が回復したことだ。10月のインフラは前年比7.7%増加し、前月比2.5%上昇した。重要なのは、10月の不動産の伸び率は12.7%に達し、27ヵ月ぶりの最高値を更新した。 前述を要約すると、今は敏感な時期であることだ。しかし、ウイルスがコントロールされた3月から今まで、唯一市場から熱心に共感を得ているのは自動車産業だ。 自動車産業はここ最近でも非常に好調だ。ある証券会社の自動車セクター指数を確認すると、今年3月に最低1152ポイントから11月上旬に2072ポイントまで、80%に達する伸び率は、パンデミック以降、最も際立つ業種の一つだと言える。 長安汽車A株の株価は、過去4取引日の間で16.5元から22.3元まで上昇し、伸び率は35%に達し、市場で数少ない目立った銘柄の一つだ。その理由は2つあり、企業業績が大きく好転したおかげで、2020年1~3四半期の間、34.86億元の純利益を記録し、前年比231%成長と同時に、長安新エネルギー車事業に対しても市場が認めたことを示した。長安汽車の株価は今年に入って120%以上上昇した。 最近、驚異的な上昇を見せた銘柄は:長城汽車、福田汽車、DESAY SV、玲瓏タイヤ、GAC、華域汽車などがある。これらの大多数の銘柄は史上最高値を更新し、激しい競争の下、大手自動車メーカーの優位性が際立ったことを示した。また、FAW解放と中国重汽のA株株価は、9月と10月前半の下落を経って、今は安定してきた、10月に再び成長勢いを回復したインフラと不動産が裏付けだ。 要約すると、現在はロングポジションまたはショートポジションに対する意見はまちまちで、誰も簡単に手を出せない状況だ。この非常時に、自動車産業は資本に選好された数少ない大規模業種として、大手完成車メーカーの市場価値も相次ぐ史上最高値を創出している。(自動車人/張恒)