2024年2月、MAZDAは5年間停滞していたロータリーエンジン開発グループ(Rotary Development Group)を再始動する。
2023年初めのブリュッセルモーターショーから10月末の東京モビリティショーまで、MAZDAは相次いでMX-30 R-EVとICONIC SPのコンセプトカーを発表した。どちらも2012年から生産を停止したロータリーエンジンをハイブリッドシステムのレンジエクステンダーとして復活させた点で共通している。
MAZDAはロータリーエンジン開発グループの再開を発表したのは、このブランドならではの技術をさらに応用した研究開発を開始することを明らかにした。
MAZDAの社長兼CEO 毛籠勝弘氏
2023年にMAZDAの社長兼CEOに昇格したばかりの毛籠勝弘氏はかつて、MAZDAの電気自動車事業は独自性を持ち、できるだけ「普通商品」を作らないようにすべきであると述べていた。ロータリーエンジンは明らかにMAZDAにとって最大の「特種資産」であり、その技術の特徴をいかに得意とする方面を生かして不得手な部分をカバーして新エネルギー事業に融合していくかが、復活後のロータリーエンジン開発グループの今後の課題となりそうである。
MX-30 R-EVでは、ロータリーエンジンをレンジエクステンダーとして使用することで過大な動力負担を必要しなく、比較の安定した回転速度区間で運転し、シリンダブロックの摩耗を最大限に回避することができる。MAZDAからのデータによると、ロータリーレンジエクステンダーの平均回転速度は単独で駆動を担う場合に比べて半分に低下し、さらに排気量も830ccまで低下している。「負担軽減」後のロータリーレンジエクステンダーは、軽量化とスムーズさという伝統を維持している。
然し、問題は現行のロータリーレンジエクステンダーが寿命を確保するために出力能力を低下させていることで、MX-30 R-EVのパワーパフォーマンスを大きく低下させていることである。ロータリーエンジンが技術のにより強力な最適化を図られなければ、その前途は依然として不透明である。ロータリーエンジン開発グループが再編されたのは、そのためである。
開発グループは、ロータリーエンジンの高出力運転における摩耗制御やシール等従来の問題を解決することに加え、将来のに多様な燃料に対応するための解決策を模索していく。ロータリーエンジンと水素燃料は適応性が従来のピストンエンジンより高い。水素燃料やその他の代替燃料自体の低炭素排出特性も、ロータリーエンジンのエネルギー転換率の低さという問題をある程度弱めている。
カーボンニュートラルの既定目標を踏まえた上で、ロータリーエンジンとクリーンエネルギーを組み合わせることで、化石燃料時代の排出問題の多くを回避することができる。理論上、ロータリーエンジンは液化石油ガスないし圧縮天然ガス燃料にも非常にスムーズに対応できる。多様な燃料に対応できるロータリーエンジンは燃料革命で新生する可能性がある。
回避することができない電気化に面して、MAZDAはロータリーエンジンを含む既存の技術資産の中から企業の独自性を代表することができる製品を開発したいと考えている。チャンスと挑戦は永遠に共存し、ロータリーエンジン開発グループの再始動も始まりに過ぎない。MAZDAはブランド独自性のある電気化転換を達成するためには、必ずその他の措置もある。(自動車人/麦可)
自動車人ホームページ:http://jp.cnqcr.com/